トラストバンクは12月25日、あしなが育英会の新型コロナウイルス禍の遺児家庭を支援する「年越し緊急支援金20万円」の活動に賛同し、1000万円を寄付しました。
ふるさと納税が最も利用される寄付月間の12月、「ふるさとチョイス」を訪れる多くの人に遺児家庭の現状を知ってもらい支援を広げたいと、寄付金はふるさとチョイスへの寄付1件につき10円を積み立ててきました。
あしなが育英会とメディア報告会を開き、トラストバンク会長兼ファウンダーの須永珠代から、あしなが育英会創設者の玉井義臣会長、あしなが奨学生代表の伊藤麻亜矢さん、菅原祐輝さんに寄付目録を贈りました。
それぞれ、寄付に込めた想いやコロナ禍の遺児の現状について話しました。
須永
コロナ禍では、ふるさと納税を通じた社会課題解決のクラウドファンディングや、医療従事者や中小企業を支援できる「コロナ給付金寄付プラットフォーム」を立ち上げました。
(ふるさとチョイスを)寄付のプラットフォームとして、ふるさと納税に限らず社会課題を解決するための寄付に使えないか。そう思い、ふるさと納税1件につき10円で1000万円を寄付しました。
もっと多くの人に現状を知ってもらいたい。ほんの少しでもいいので、行動できる一歩があることを知ってほしい。自分のできる範囲で構わないので、寄付月間に一歩行動する機会になればと思います。
玉井会長
コロナは大敵です。とくに最底辺で生きていくのがやっとという人たちの生活をさらに追い込んでいます。
春と秋に100回目の街頭募金をするつもりでしたが、コロナで中止になりました。街頭募金は50年も続いていますが、3回くらい街で見かけなかったら忘れられてしまいます。
ふるさと納税というたくさんの人に知られているルートで寄付していただき、本当に大きな力になります。まさに「干天の慈雨」です。
伊藤さん
収入が減って大変な今でも学校に通えている理由は、あしなが育英会の奨学金や、あしながさんの寄付の支援があってのことです。寄付してくださるすべての皆さんに感謝します。
ご支援がないと大学に通うことはおろか、生活すら困難になる人がたくさんいます。学びたいことを学ぶ。学生なら当然の願いをかなえられない学生はたくさんいます。遺児家庭の現状をご理解し、ご支援いただけますと幸いです。
菅原さん
あしながの奨学生は経済的困窮を抱えながら暮らしています。僕は、厳しい今をもっとたくましく生きる若者が必要だと考えています。
100回目の街頭募金も中止になりましたが、僕たちはオンライン上でも誇りとやりがいをもって活動しています。あしながの学生がまず先頭に立ち、いまの若者を引っ張り、世の中をもっと明るくしていきたいです。
ご寄付をいただくだけではなく、将来にきちっと還元できるようにこれからも活動していきます。
“いつコロナが収束するかわからない”という先の見えない不安。それはどの家庭にもいえますが、遺児やご家族はさらに大きな経済的不安も抱えています。
あしなが育英会は11月30日、全7612人の奨学生を対象とした、遺児1人当たり20万円の「年越し緊急支援金」の給付を発表しました。その総額は、15億2240万円に上るとのことです。
あしなが育英会の運営資金は、半世紀前から続く春秋年2回の学生募金が大きな原動力となってきました。しかし、新型コロナウイルスの影響で、今年は街頭募金活動を断念しました。寄付を募る手段が減る一方で、奨学金の申請は増加しています。
あしなが育英会は10月23日~11月5日、すべての高校・大学の奨学生とその保護者にコロナ禍の生活への影響に関するWEBアンケートを実施。過去最大規模の計6241人から回答を得ました。
アンケートの自由記述で、コロナ禍の遺児家庭の窮状が浮き彫りになりました。
・「お金がない。ただそれだけで、心から情けない気持ちに落ち込むことがあります」(広島県・40代母親)
・「自営業で、業績は不振。先行きが見えない中、さらに闘病中。体調不良ゆえ、体力はもちろん気力まで減少してしまい…子供の前で普通に振舞って見せるのが精一杯です」(佐賀県・50代母親)
・「一人暮らしで、自分で家賃、光熱費、食費、生活費を賄わなければならないのですが、コロナ禍でなかなかアルバイトが出来ずに困っています」(神奈川県・大学3年生)
・「大学に行けるお金があるのか分かりません。せっかく入学できたとしても、お金の面で退学することになったりしないか心配です」(埼玉県・高校2年生)
保護者は、これからの収入について「非常に不安だ」と「不安だ」が85パーセント以上を占めています。
< WEBアンケート保護者の回答から。回答数2,877人>
ところで、『寄付月間(Giving December)』という言葉をご存知でしょうか。寄付月間推進委員会が、「一年の終わりに、未来を考え寄付をする」という想いで12月を寄付月間としているのです。
ふるさと納税も例外ではなく、その年の寄付の締め切りも相まって、年末は多くの寄付が集まります。
そこで「ふるさとチョイス」では、12月のふるさと納税1件につき10円(上限1000万円)をあしなが育英会に寄付することを決めました。寄付件数にして100万件です。
12月に多くの人が利用するふるさと納税ポータルサイトとして、“ふるさと納税をきっかけに、あしなが育英会の活動やコロナ禍の遺児家庭の現状を知ってほしい”という想いがあります。
直接的な寄付とともに、困っている人や社会課題の情報を発信する役割も担いたいのです。
あしなが育英会では、街頭での募金活動こそないものの、学生たちによるクラウドファンディングや、口座振替やクレジットカードによる寄付は受け付けています。
「一年の終わりに、未来を考え寄付をする」寄付月間の12月。未来を考え、自分のできることから誰かのために行動する一歩を踏み出してみませんか?