みなさんは「ワーケーション」にどんなイメージがありますか?
「オフィスでも自宅でもない場所で仕事ははかどるの?」「周りでしている人がいないから、どんなものか分からない」。そう考えている人もいるのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がり、脚光を浴びているワーケーション。ワーケーションとは、「ワーク」(仕事)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた言葉で、観光地や帰省先でテレワークを活用して働くことを指します。
トラストバンクでも、昨年3月末から全社的なリモートワーク体制が始まり、実際にワーケーションをしたメンバーも出てきました。そこで、アンケート調査をもとにワーケーションの人気地域やトラストバンクメンバーのワーケーション体験談を紹介します。
・コロナ禍で高まるワーケーションの勢い
・移住先とワーケーション先 人気の地域は
・7割が「ふるさと納税の寄付先で暮らしてみたい」
・インタビュー:都内から沖縄まで、ワーケーションを体験(パブリテック事業部・武田さん)
トラストバンクが今年6月、都内に住む約1000名に実施した「地方暮らしに関するアンケート※」によると、「新型コロナで地方暮らしへの関心が高まった」と答えた人は、前年調査より14.5%増加し、60.5%に上りました。コロナ禍で在宅勤務をする人が増え、地方暮らしやワーケーションへの関心が高まりつつあります。
希望する地方暮らしのスタイルで一番人気が高いのは、都市圏と地方圏のどちらにも生活拠点を持つ「二地域居住」。割合は39.7%で昨年比2.7%減でした。一方、地方圏のみで暮らす「移住・定住」の人気が昨年より4.3%増加し35.4%という結果になりました。
1年以上続くコロナ禍の生活でテレワークが定着し、通勤の利便性を重視する考え方から、暮らしやすさに重きをおく人が増加しているとも考えられます。
東京以外の都道府県のうち、地方暮らしをしたい場所のトップは北海道。次いで長野県、神奈川県がランクインしました。選んだ理由は「出身地・住んだことがある」が最多でした。
一方、実際にワーケーションをした人が選んだ都道府県の人気No.1は、やはり北海道。岩手県、東京都が続く結果となりました。選んだ理由としては、「旅行で訪れたことがあるから」や「美味しいグルメがあるから」が多い結果に。
ワーケーションでは移住先と異なり、「行き慣れているか」よりも「その地域にどんな魅力があるか」で選ぶ人が多いことが分かりました。また、「ふるさと納税をしたことがあるから」を選んだ人が2割を占め、ふるさと納税がワーケーション先のきっかけになっていることも分かりました。
ワーケーション先を選ぶ理由で、2割の人が選んだ「ふるさと納税」。ふるさと納税は、ワーケーションだけでなく移住にも好影響を与えています。
ふるさと納税をしたことがある人に「寄付先の地域で暮らしたいか」を尋ねたところ、70.8%の人が「そう思う」と回答。昨年から11.6%も増加しました。
実際にワーケーションをする人はどんな点に魅力を感じているのでしょうか。パブリテック事業部開発チームの武田可帆里さんは、ワーケーションのヘビーユーザー。ワーケーションの体験談や魅力を語ってもらいました。(インタビューは8/12に実施)
――ワーケーションを始めたきっかけを教えてください
もともと外に出ることが好きで、自治体に出張する前後の日は有休をとってその場所で遊ぶなどワーケーションのようなことはしていました。でも、コロナの影響でそれもできなくなり、毎日ずっとパソコンの前にいると疲れてきちゃって。気分転換のために始めました。
最初は、クレジットカードのポイントでホテルに泊まれる機会があり、都内ホテルでテレワークをしたのがきっかけでした。楽しかったしリフレッシュもできたので、そこからハマりました。
――今までどんな場所でワーケーションをしてきましたか?
都内ホテルや近所のマンション、群馬県前橋市にも行きました。今月は宮古島と石垣島、来月以降はふるさとチョイスのお礼の品にあるワーケーションプランを使い、富士吉田市に行く予定です。ゴルフやダイビングが好きなので、自分の好きなことをできる場所を選んでいますね。
――ワーケーションのメリット・デメリットについて教えてください
メリットは、仕事と遊びが両立できるのでリフレッシュできるところです。
デメリットは、やはりお金がかかるところ。私は宿泊サブスクリプションの「HafH(ハフ)」といったワーケーション用のサービスや「いいオフィス」という全国500以上のコワーキングスペースやシェアオフィスが使い放題になるサービスを利用しています。宿は民泊サービス「Airbnb」などで探すことが多いです。
また、1人だと不便な部分もあります。ホテルのコワーキングスペースで仕事をするとトイレなどで席を立つときに常にパソコンを持ち歩かないといけません。そのため、トラストバンクの同僚とワーケーションをすることも多いです。
普段はテレワークなので、ワーケーションで直接スタッフと話せるのはよい機会になりますね。お礼の品の富士吉田市のプランは一度に7人まで宿泊できるみたいなので、メンバーを連れて行くのも楽しそうです。
――ワーケーションではどんな仕事が向いていますか?
Webミーテイングは向いてないですね。でも、同僚などに自慢したいので、あえてZoomの背景として見せることもあります(笑)。逆に資料作成などアイデアが必要なクリエイティブな仕事には向いています。
――最後に、ワーケーションをこれから始める人にアドバイスがあれば教えてください
ワーケーションは遠くに行かなくてもいいんです。どこでもできるので近場から始めてみるのがおすすめです。1泊2000円の宿でも屋上から見える星が綺麗だったり、家から2km離れているだけでも窓から見える景色が全く違ったりして楽しいですよ。
今後は古民家でのワーケーションもしたいですね。旅行というよりは、そこに一時的に住むような感覚で仕事をしてみたいんです。住んだことない場所に一時的に住める。それがワーケーションの魅力でもあります。
トラストバンクでは、他のメンバーにもワーケーションを経験した人がいます。
ふるさとチョイス事業本部
「富士山の近くに住んでみたくて、山梨県富士吉田市でワーケーションをしました。地域との関わりができて、その地域が好きになりました。もともと自治体職員さんとは仲が良く、一緒に飲んだり交流もできて良かったです」(実施期間:1~3週間)
ふるさとチョイス事業本部
「“餃子とビール”がしたくて栃木県宇都宮市に行ったり、やまに水産で極の蟹を食べたくて福井県坂井市に行ったりしました。その地域ならではのものを味わえるなど、リフレッシュできます。家にいるよりも集中できますが、娘が保育園にいかず仕事中は必ずいるため、長期間だときつそうです」(実施期間:2~5日間)
今までは別のものとして捉えられていた「ワーク」(仕事)と「バケーション」(休暇)。コロナ禍でテレワークが普及したことで、好きな場所に行き、好きな場所で働くことが今後さらに当たり前になっていくのかもしれません。
それだけでなく、仕事をしながら地域を肌で感じられることもワーケーションの魅力です。都内のオフィスにいた人たちが、全国の地域に広がっていく。そんな状況を想像すると、なんだかワクワクしてきませんか?
トラストバンクも将来の働き方のビジョンとして、メンバーが地域で暮らし地域課題に触れながら自治体に伴走できるような働き方を目指しています。ワーケーションはその一つの手段になるかもしれません。