新型コロナウイルスの影響で例年よりも消費活動が抑えられ、多くの地域にとって「苦難の年」となった2020年。それでも、ふるさと納税を始めとしたさまざまな支援で地域への「応援の輪」が広がり、たくさんの地域が困難を乗り越えることができました。
トラストバンクが今年2月、全国836自治体にアンケート調査をしたところ、9割を超える自治体が「ふるさと納税制度は地域の活性化につながると思う」と答えました。そのうちの約3割は「お礼の品が地元の事業者の助け・支援に繋がっている」としています。
コロナ禍でも、ふるさと納税がこんなに多くの地域にとってエンパワーメントになっていることは、トラストバンクとしても望外の喜びです。
また、約7割の自治体が前年よりも寄付総額を伸ばすことができました。注目すべきは、このうち約6割が寄付の背景に「コロナ禍の応援消費が影響した」と回答していることです。
その証に、山形県高畠町から以下のコメントが寄せられました。
「コロナ禍による物産イベント等の中止が相次ぐ中、ふるさと納税返礼品による地域内企業 の売り上げへの貢献ができたことで、地域内の企業、農産物の生産者から感謝の言葉をいた だいた。これまでも自治体から協力はお願いするものの、目に見える形でメリットを示せな かった。 」(山形県高畠町)
さらに、これまでふるさと納税サイトの利用で最も多くの自治体が感じた効果としては、約4割の自治体が「寄付額が増えた」と答えました。中には、このような心温まるメッセージも。
「地元事業者の支援になった」
「たくさんの応援の声や返礼品の感想をいただき、改めて地場産品の魅力や応援してくれる人がいることを認識できた。」
コロナ発生以来、トラストバンクは苦境に立たされている地域を応援するため、ふるさとチョイスでコロナに関する支援に力を入れてきました。
主に、事業者支援プロジェクト、コロナ対策の「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」、そして思いやり型返礼品「きふと、」を活用した子育て家庭への支援の3つのプロジェクトを推進しました。
これらの中から、具体的なプロジェクトを3つ紹介します。
コロナの感染拡大がもたらしたインバウンドの減少により、外食関連の事業者は収入が大きく減ってしまい深刻な状況にあります。
そんな中、何とかして地域の食材を届けたい生産者を応援するため、ふるさとチョイスで農林水産省の「#元気いただきますプロジェクト」を活用した「ニコニコエール品」を実施しました。寄付者は「ニコニコエール品」を選び寄付することで、それぞれの品が持つ十人十色の魅力を楽しみつつ、生産者を支援できる仕組みです。
たとえば、メロン狩りを楽しめる茨城県鉾田市の「フォレストパーク・メロンの森」は、コロナ禍で団体客はほぼゼロ。個人客も3割減となり、全体の来園者は9割以上も減ってしまいました。
一部のメロンを破棄せざるを得ない状況でしたが、「ニコニコエール品」で栽培量のほとんどを寄付者に届けられたといいます。
本プロジェクトに参加した他の地域からも、「生産者も”ニコニコ”にさせていただきました」といった声が上がりました。
3月からは、コロナで業績が落ち込んでしまった事業者の挑戦を応援するため、新たに農水省補助事業を活用した「チャレンジ応援品」プロジェクトを始めました。牛肉や高級フルーツなど対象品目が決まっていたニコニコエール品とは異なり、売り上げが減っているすべての農林水産事業者が対象です。
地域にたくさんの笑顔が戻るよう、トラストバンクは今後も様々なプロジェクトを展開していきます。
コロナ禍で打撃を受けた自治体のコロナ対策の財源を支援するため、ふるさとチョイスはGCFで”コロナ対策プロジェクト”も実施しました。その一つが、北海道ふるさと寄附金「今こそエールを北の医療へ!」です。
北海道では、昨年4月頃に感染第二波が懸念され、医療現場は切羽詰まっていました。
北海道は医療現場を支援するため、4月から7月にGCFで寄付を募ったところ、開始わずか2日で目標金額の5000万円を達成しました。全体では、なんと1億6400万円を超える寄付が寄せられ、2020年で最も寄付が集まったプロジェクトになりました。
それだけでなく、寄付者からは2486件もの温かい応援メッセージも寄せられ、速く大きく「応援の輪」が広がったプロジェクトになりました。
応援メッセージの一部を紹介します。(原文まま)
コロナの影響で休校が相次ぎ、給食やこども食堂が中止となったため、生活に苦しむ子育て家庭が増えました。
そこで、ふるさとチョイスは「きふと、」の「思いやり型返礼品・寄贈型(あしなが型)」の仕組みを活用し、困っている家庭に支援の品を届けられる”子育て支援プロジェクト”を立ち上げました。
通常のふるさと納税では、寄付者は寄付をするとお礼の品をもらえます。
一方、このプロジェクトは、寄付者自身が品を受け取るのではなく、選んだ品が子育て家庭に届くことで、支援につながる仕組みです。一般社団法人「こども宅食応援団」が、生活に困っている全国の子育て家庭にお米などのお礼の品を届けます。
山形県三川町はこの仕組みで「つや姫パックライス」を提供しています。
実はこのプロジェクト、三川町でお米を提供する事業者の「これまで返礼品として全国の方に選んでいただいた感謝の気持ちを社会貢献につなげたい」という声から始まりました。
三川町のふるさと納税を担当する今野さんから、こんなメッセージを頂いています。
お礼の品をいま助けたい「誰か」のために贈る。このような支援の形が、寄付者と子育て家庭を「思いやり」でつないでいきます。
多くの地域が、コロナ禍で経済的に苦しい状況に直面しました。
しかし裏を返せば、コロナ禍だからこそ「地域を応援したい」という人々の想いが一層集まったのかもしれません。
トラストバンクはこれからも地域を元気づけるため、全国の地域で応援の輪を広げる活動に尽力していきます。