国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を企画・運営する株式会社トラストバンク(本社:東京都品川区、代表取締役:川村憲一、以下「トラストバンク」)の調査・研究を担う「トラストバンク地域創生ラボ」は本日3月7日、全国の20歳以上1,039人を対象とした「災害支援のための寄付とふるさと納税の実態調査 2024」の結果を発表しました。
【調査の狙い】
トラストバンクはこれまで、3・11を前にしたこの時期に災害支援寄付に関する実態調査を行ってきました。また、今年は1月に石川・能登地方を中心とした大地震が発生。被災地・被災者に対して日本中から寄付という形で心が寄せられ、改めて日本においての助け合い文化について考えさせられる機会ともなりました。日本に寄付文化は根付かないと言われて久しいですが、自然災害が起きた際の寄付に関して言えば以前から相当程度普及しているといっても過言ではないでしょう。
インターネットの普及とともに寄付の手法は多様化し、寄付しやすい環境が整ってきています。ふるさと納税での寄付もその一つです。もともと、ふるさと納税制度の創設をけん引した前福井県知事・西川一誠氏には、制度開始前の2004年に県内で豪雨災害が発生した際、匿名の方から知事宛に支援金として2億円の当選宝くじが送られてきた経験があり、そういった寄付者の想いを背景として制度創設につながったとされています。自治体に直接寄付できるふるさと納税は災害支援との親和性があり、現在は自治体においても「災害発生時はふるさと納税で寄付を集める」ということが定着しています。
今回の調査結果では「なぜ災害支援寄付をするのか」という動機は「その地域と関わりはないが、支援したいと思った」との回答が最多でした。一方、ふるさと納税での寄付経験者に絞ると、打って変わって「過去にふるさと納税したことがある地域だから」と答えた方が最多であり、他にも、実際に居住経験や旅行経験があるから、などと「地域との実際の縁」を背景に寄付した方が多いことが非常に特徴的でした。同じ寄付行為であっても、想いの寄せ方によって寄付手段が異なることが明らかになったとともに、ふるさと納税は地域との出会いの機会を創出し、寄付者を「地域のサポーター」に変えるといった独自の寄付文化を育んでいるということを実感する調査結果となりました。
◆ 災害支援のために金銭の寄付をしたことがある人の割合は56.8%。寄付経験の回数は最も多いのが「2~3回」で、東日本大震災が起きた2011年、熊本地震が起きた2016年、能登半島地震が起きた今年(2024年)に寄付した経験がある人が多かった。1回当たりの寄付額は「1,000円以下」が最多の44.2%。次いで「1,001円~3,000円」が29.7%。
◆ 被災地に寄付しようと思った理由は、最多が「(特段その地域との)関わりはないが、支援したいと思ったから」(58.5%)。
◆ ふるさと納税で被災自治体に寄付できることを知っているのは全体の51.5%。災害支援寄付経験がある人に絞ると、実際にふるさと納税で寄付したことがある人は24.1%で、「ふるさと納税で寄付したことはないが今後は活用してみたい」と答えた人は33.2%。
◆ ふるさと納税による災害支援寄付の「良い」と思う特徴は「支援したい自治体を選べる」が最も支持された(43.0%)。ほぼ並んで「寄付金の届き方に透明性がある」(42.5%)も評価されたほか、「直接自治体に支援の気持ちが届く」「寄付金の使われ方が信用できる」も回答を集めた。
◆ ふるさと納税での災害支援寄付経験者は、1回当たりの寄付額が比較的高い(「3,001円~5,000円」が最多の42.2%)ことも判明。(回答者全体では「1,000円以下)が最多)
◆ふるさと納税での災害支援寄付経験者のうち、過去にふるさと納税をしたことがある自治体が被災したことが理由で、ふるさと納税で災害支援のため寄付をしたと答えた人が最多の35.6%。
◆ 今年1月発生の能登半島地震で被災地・被災者に寄付した人は全体の21.8%。能登半島地震への寄付手段として回答を集めた上位は「支援団体によるネット募金窓口」「民間企業によるネット募金窓口」「街頭募金活動や店頭の募金箱」。
【調査名:「災害支援のための寄付とふるさと納税の実態調査 2024」】
(トラストバンク地域創生ラボ調査)
■ 方法:インターネット調査/期間:2024年2月13日~2月16日
■ 対象:能登半島地震で被災した新潟県・石川県・富山県・福井県を除く、全国に住む20歳以上1,039名
※ 特に断りがない場合、n=1,039で結果を表示
・ふるさと納税での災害支援寄付経験者は1回当たりの寄付金額が比較的高い傾向。
・災害支援寄付の経験は多い順に、東日本大震災が起きた2011年、能登半島地震が起きた2024年(今年)、熊本地震が起きた2016年
・ふるさと納税で寄付した人に絞ると、寄付動機の最多は「ふるさと納税したことがある地域だから」となり、他の寄付手段を取った人とは大きく違いがあることが明らかに。
・ふるさと納税を使った災害支援寄付の活用経験は、20代が最も高い割合となった。
・ふるさと納税を通じた災害寄付は「支援したい自治体を選べる」「寄付金の届き方に透明性がある」「直接自治体に届く」といった点が評価されている。
・ふるさと納税以外を使用した災害支援寄付経験者は、「民間企業によるネット募金窓口」や「募金箱」を活用することが多い。
・今年1月の能登半島地震で被災地・被災者に寄付した人は全体の21.8% 。寄付手段は「支援団体によるネット募金窓口」が最多。
トラストバンク地域創生ラボ ( https://note.com/tb_regional_labo/ )
トラストバンクが設立10周年となった2022年、立ち上がった調査研究組織です。これまで多くの自治体とともに歩む中で集積した知見を基に、自治体や地域住民の視点に立ち、その実情を明らかにする調査を実施。地域の新たな可能性を発掘するとともに、次なる地域活性の手だてを考える際のヒントを提供します。調査を通じて得た結果を社会に広く発信し、情報を通じて地域活性化を促し、持続可能な日本社会の実現に貢献していきます。