2023.12.15

北海道羅臼町とふるさとチョイス、ふるさと納税制度を活用したガバメントクラウドファンディング®で、ヒグマから町民を守る電気柵の維持管理費のためのプロジェクトを開始

~ 世界自然遺産知床・羅臼町の多様な生物との共存を目指す ~

北海道羅臼町(町長:湊屋稔、以下「羅臼町」)と国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」( https://www.furusato-tax.jp/ )を企画・運営する、株式会社トラストバンク(本社:東京都渋谷区、代表取締役:川村憲一、以下「トラストバンク」)は、本日12月15日トラストバンクが提供する、ふるさと納税制度を通じてクラウドファンディング型で寄付を募る仕組み「ガバメントクラウドファンディング®」(以下「GCF®」)で、ヒグマから町民を守る電気柵の維持管理費のためのプロジェクトを開始します。募集期間は2023年12月15日~2024年3月14日で、目標寄付金額は59,134,000円です。

GCF®で寄付を募る背景
世界自然遺産知床・羅臼町は、海洋生態系と陸上生態系が相互に関係性をもち、かけがえのない生物多様性にあふれた世界的にも重要な地域として認められた地です。地域の保護制度も充実しており、海洋を含むエリアの自然遺産登録は、知床が日本では初めての場所です。知床半島は、陸上における食物連鎖の頂点に君臨するヒグマの高密度生息地域として知られ、海岸沿いで漁業を営む羅臼の人々は昔から「共存」の意識で生活してきました。しかし、近年人里に出没するヒグマが多発している現状があります。人間と野生動物の「距離」や「意識」の変化はあるにせよ、羅臼町ではそうした視点から野生を見つめ、人間の行いの見直しをしています。野生との共生は、ここでの日々の暮らしと一体であるため、人とヒグマの境界線について改めて考える必要があります。
町では大手企業からの支援を受け、ヒグマの出没を抑制するための電気柵を町内各所に設置しました。その効果は大きく、電気柵が設置されている箇所におけるヒグマの出没を減少させることができました。ところが、電気柵を稼働させるための維持管理には多額の費用が必要であり、企業からの支援が終了する令和6年以降の費用の確保が困難な状況です。
全国各地でクマ被害が相次ぐ中、野生動物の保護や共存・共生についても重要な課題として問われています。こうした背景を鑑みて、世界自然遺産の地・知床羅臼町から多くの方々とこの問題に共に考え、共に取り組むためにGCF®を活用します。
ヒグマが生息できる森をこのままの状態で後世に繋ぎ、ヒグマとの軋轢も限りなくゼロにすることが知床羅臼町の願いです。


寄付金の使い道
・市街地区を中心とした電気柵の再建工事および町内電気柵維持管理事業
・その他ヒグマとの共存に繋がる各種取り組み

羅臼町長 湊屋稔のコメント

「私たちが住む知床半島では、原生の自然環境が残されており、多種多様な野生動物が暮らす豊かな生態系が保たれ続けています。冬は、雪に閉ざされ、遠くアムール川からの使者である「流氷」によってもたらされられる恵みは根室海峡で終着点をむかえ、たくさんの生き物に命を吹き込みます。羅臼の人々は、この厳しいながらも、豊かな自然環境がもたらしてくれた海の命をいただきそれを生業として、生活し、まちを発展させてきました。春のウニ漁、夏の昆布漁、秋のサケ・イカ定置網漁、冬のスケトウダラ漁は風物詩となっております。知床半島には多数の河川があり、サケ・マスはとてつもない大回遊をして、再び親となって母なる川にもどってきます。そして新たな命を母なる川に宿し、その生涯を終えるのです。アイヌの人々はヒグマを山の神と崇めてきました。サケを捕食し山に残す。海の栄養を山に還元し、森を豊かにする。多くの野生動物がこの恩恵を授かっています。生態系の頂点に君臨し、キングカムイと呼ばれる所以です。
今、長い年月をかけて環境変化が著しく感じられるようになりました。それは、決して良い変化ではなく、悪いほうへと・・・。知床の野生動植物にとってもそれは、存続の危機につながるものであるかもしれません。人とヒグマをはじめとする野生動物の関係性が変わり始めています。これまでお互いに距離を保ってきたものが、一気にその距離を縮め、人の生活圏に入り込むことが増え、ヒグマの存在を感じない日はない状態にまでなっています。お互いがこれまでのように、適切に恐れを抱きながら、共存する必要があると私は思っています。どうして、そのような状況になったのか、調べ考えを巡らせる必要があります。そして近づいてはならないことを、言葉の通じないヒグマに知ってもらう必要があります。そこへたどりつくことは、容易ではありません。
ヒグマを森深くにもどし、すべき取り組みを関係機関が真剣に議論するところに私たちは立っています。このGCF®プロジェクトを通して、私たちの地域を真にご理解いただいたうえで、ヒグマが隣にいる生活を思い描きながら一緒に考えいただければ幸いです。」


使い道に共感しふるさと納税を利用して行うクラウドファンディング
GCF®は、“使い道”から寄付を募るふるさと納税のクラウドファンディングです。自治体は地域課題と解決策を広く発信し、共感を得ることで寄付を集めます。寄付者が地域課題を知るきっかけになるとともに、より具体的な寄付金の使い道を選択することができます。プロジェクトを応援する気持ちで寄付するため、地域に継続して関心を持つことにつながります。
地域のファンを創出し、地域の関係・交流人口を増やす効果も期待されます。
GCF®は、2013年9月にトラストバンクが提供した仕組みです。プロジェクト数や活用自治体数も年々増加しており、2023年7月時点で寄付総額147 億円を突破し、約2,100プロジェクトが実施されました。
※ガバメントクラウドファンディング®およびGCF®は、株式会社トラストバンクの登録商標です

□■ プロジェクトの概要 ■□

◆ プロジェクト名: ヒグマと共存・人との大事な境界線創出プロジェクト 【電気柵で市街地区を完全包囲!】
◆ 寄付受付サイト: ふるさとチョイス「ガバメントクラウドファンディング®」(運営:株式会社トラストバンク)
◆ 目標金額:59,134,000円
◆ 募集期間: 2023年12月15日~2024年3月14日(90日間)
◆ 寄付金の使い道:
・市街地区を中心とした電気柵の再建工事および町内電気柵維持管理事業
・その他ヒグマの共存に繋がる各種取り組み
◆ プロジェクトURL: https://www.furusato-tax.jp/gcf/2857
※ 募集期間は、延長の場合がございます。


北海道羅臼町https://www.rausu-town.jp/
北海道羅臼町(らうすちょう)は世界自然遺産に指定された知床半島の南側に位置する自然豊かな町です。
アイヌ語で「大地の果てる所」を意味するシリエトクが語源といわれる知床半島の厳しくも豊かな自然と共生しながら、漁業を中心とした水産業の町として歩んで参りました。
一年を通して季節折々の海産物が水揚げされています。「羅臼のふつうは、日本のごちそう。」どれも鮮度が良く自信をもっておすすめできます。羅臼の海産物をぜひご賞味ください。
一年を通して様々な動物と出会える可能性がある洋上でのクジラ・イルカ・バードウォッチング、日本百名山にも選ばれた羅臼岳登山、トレッキング、スキューバダイビングなど海から山まで自然を対象としたアクティビティも豊富です。旅の疲れを癒してくれる温泉も豊富で無料の露天風呂もあります。


ガバメントクラウドファンディング®(GCF®)とは
2013年9月にトラストバンクが提供したクラウドファンディング型でふるさと納税を募る仕組み。自治体が
プロジェクトオーナーとなり、地域課題に対する具体的な解決策、必要な寄付金と使い道、寄付金を集める期間などを提示して広く資金を調達する。寄付者は自らの意思で寄付金の使い道を選ぶことができる。「2019年度グッドデザイン賞」を受賞。
※「ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング®」サイト: https://www.furusato-tax.jp/gcf/

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