自立した持続可能な地域をつくるためふるさと納税事業などを展開する株式会社トラストバンク(本社:東京都渋谷区、代表取締役:川村憲一、以下「トラストバンク」)は、本日7月26日、地域や次世代に残したい「豊かさ」をテーマに調査・研究活動を行う「トラストバンク地域創生ラボ」が実施した「ふるさと納税の利用意向に関する緊急調査」の結果を発表しました。全国のふるさと納税経験を持つ20歳以上の1,074名を対象に実施したものです。
総務省は今年6月、ふるさと納税に関するルール改正を10月から実施すると発表しました。自治体に対し、ふるさと納税に関する経費は幅広に計上して実態を報告するよう求めるとともに、寄付額全体の5割以下に抑えることも改めて求めています。経費に関するルールを厳格化することで、寄付金のうち本当に地域のために使うことができるお金をしっかりと確保できるようにするのが目的です。
ルール改正によって、自治体間では経費を抑える動きが出てくることが想定され、寄付者にとっては、これまでふるさと納税のお礼の品として主流だった「モノ」のお礼の品を中心に、寄付額が引き上げられたり、お礼の品の分量が減ったり品質が低下したりする可能性があります。
「モノ」のお礼の品では経費として計上される送料がかかる一方、近年ふるさと納税で注目を集めている「コト」のお礼の品である体験チケットや宿泊券、商品券などでは多くの場合に送料がかかりません。そのため、寄付金額に対するお礼の品の価格の割合(本調査では「還元率」と呼ぶ)に影響が及びにくいことが想定されます。
「ウィズ・コロナ」で行動制限がなくなった今年、国内の旅行需要は復調傾向で、多くの地域が観光客でにぎわっています。経済産業省が5月に発表したデータでは、宿泊業と旅行業はコロナ前を上回る水準に回復。インバウンド需要も戻り、改めて日本が持つ魅力に世界中から注目が集まっています。
国内旅行の需要回復と「コト」のお礼の品は親和性が高く、今後さらに注目が集まる可能性があります。実際に現地に足を運んで利用するものであることから、地域の関係・交流人口の増加に直接寄与し、地元経済を活性化させるための起爆剤ともなります。
今回のふるさと納税経験者を対象とした緊急調査では、観光需要が大きく回復される見込みである今夏に国内旅行の予定がある人に対し、旅先で使える“新しいふるさと納税”がどの程度認知され、実際に利用したいと思われているのかについて調査しました。加えて、ふるさと納税に関するルール改正について、寄付者がどのように受け止めているかについても明らかにすることを目指しました。
◆ 調査名:「ふるさと納税体験に関する調査」(トラストバンク地域創生ラボ調査)
方法:インターネット調査/期間:2023年7月10日~11日
対象:全国に住む、ふるさと納税をしたことがある20歳以上の男女1,074名
※事前に全国の 20 歳以上の 63,993 人にふるさと納税経験の有無を問うスクリーニング調査実施
(特に断りがない場合、n=1,074で表記しています)
(グラフでは小数点第1位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります)
今年の夏に国内旅行がある人は、ふるさと納税経験者全体の6割強。旅先で利用できるふるさと納税のお礼の品に関し、旅先での食事・土産などの支払いで使える電子ポイントや商品券をもらい、現地で使いたいと考える人は66.9%。
ふるさと納税のルール改正に当たって、10月以降、お礼の品をもらうための寄付額が値上げされたり、同じ寄付額でも内容量が減ったり質が下がったりする可能性がある中で、お礼の品の「還元率」が下がっても利用し続けたいかを尋ねた質問に「はい」と答えたのは全体の60.0%。「いいえ」「分からない・どちらとも言えない」は合わせて40.1%となった。
一方、経費として計上される送料がかからないためルール改正の影響を受けづらいと想定される「体験型のふるさと納税のお礼の品」に関心があるかを尋ねると、関心があると答えたのは55.2%。