ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を運営する株式会社トラストバンク(本社:東京都渋谷区、代表取締役:川村憲一、以下「トラストバンク」)は12月20日、行政手続きデジタル化ツール「LoGoフォーム」について、熊本県宇城市の行政手続きにおける導入効果を発表しました。
宇城市は2021年3月、県内で初めて市のおくやみ手続き(死亡に伴う手続き)の業務や上下水道等の使用申請にLoGoフォームを活用し、行政手続きのデジタル化を進めてきました。
おくやみ手続きでは、市職員がLoGoフォームで基本情報を事前に入力しておくことで、市民の窓口での申請時間が50%減少しました。ご遺族の手続きにかかる心身の負担軽減にもつながります。上下水道等の使用も24時間オンライン申請できるようにしたことで、紙の申請に比べて年間130時間の業務削減効果が試算され、記入漏れなどの申請ミスも8割減りました。
◆ 宇城市コメント:市長政策室 髙濱 隆宏
市民ニーズが高い電子申請ツールを探している中で、専門的な知識がない職員でも簡単に申請やアンケートフォームを作成できることに魅力を感じ、LoGoフォームの導入を決定しました。
既に導入効果を実感できていますが、まだまだ改善できる余地がありますので、他自治体の取り組みや事例を参考にしながら、さらなるLoGoフォームの有効活用を図り、DXを推進していきたいと思います。
おくやみ手続き入力フォーム
◆ 概要:
葬儀社からの死亡届をもとに、市職員がLoGoフォームで事前に死亡者の基本情報を入力して申請用紙に印字しておくことで、ご遺族が窓口に来庁した際の記入作業や待ち時間を軽減しています。
◆ 背景・課題:
これまでは、来庁したご遺族が死亡者の全情報を用紙に手書きで記入し、最大で7~8の窓口を回って手続きしており、記入作業や待ち時間の心身の負担が課題で住民サービスの向上が求められていました。
◆ メリット・工夫点:
・ご遺族が来庁するまでに市がLoGoフォームを使って事前に情報を入力し、手続きにかかる負担を軽減。
・ご遺族の記入作業や窓口の待ち時間などの申請時間が半減。
◆ LoGoフォームによるオンライン化の効果:
① 市民の窓口手続き時間:50%削減(175時間→87.5時間)
これまで、窓口申請に1件あたり10分ほどかかっていたが、LoGoフォーム導入後は1件あたり5分に半減。2021年3月末から開始し、約5か月間の推計350件で計175時間の申請時間が、半分の87.5時間まで削減できることが試算されました。紙だけでなくLoGoフォームも併用することで、ご遺族の記入負担や確認作業を軽減することにつなげています。
② オンライン化の割合:100%
これまで、おくやみ手続きは全て紙による申請業務でしたが、LoGoフォーム導入後、ご遺族の来庁前に一部
データ入力を済ませておくといったデジタル活用を申請対象となる約350件(100%)で実現しました。
上下水道等のオンライン申請
◆ 概要:
上下水道や農業集落排水の使用開始・中止届けについて、LoGoフォームで24時間いつでもどこでもオンライン申請できるフォームを構築しました。運用開始から5か月間でオンライン申請率は、ほぼ半数に近い46%に上りました。
◆ 背景・課題:
これまで、窓口や郵送、FAXによる紙の申請のみを受け付けていました。市民からも不便だという声があがっており、オンライン申請のニーズが高まっていました。
◆ メリット・工夫点:
・市民は24時間いつでもどこでもオンラインで上下水道等の使用開始・中止の申請が可能。
・紙の申請で発生する記入漏れやミス、申請情報の不備が8割減。
・オンライン申請により、申請の業務時間が概算130時間減。窓口の受け付けも年間214時間の削減を試算。
◆ LoGoフォームによるオンライン化の効果:
① 業務時間:130時間削減(約4割減)
1件あたり5分程度かかっていた事務処理時間がオンライン申請で2分に短縮され、概算で年間130時間の削減効果が試算されました。オンライン申請の割合が増えたことで、窓口の対応時間も年間214時間減ることが見込まれます。住民の利便性向上はもちろん、市職員の業務効率化や窓口の混雑回避にもつながります。
② オンライン申請率:46%(1,072件/2,337件)
LoGoフォームでオンライン申請を開始してから約5か月間で計2337件の申請があり、そのうち46%にあたる1072件がオンライン申請でした。半数近くがオンライン申請を使い、住民ニーズの高さがうかがえました。
③ 申請不備の削減:8割減少(15件→3件/1か月あたり)
オンライン申請により、紙で発生していた記入漏れや申請不備が1か月あたり15件から3件に減少しました。年間144件の削減が試算でき、申請不備による市民の再申請の手間や職員の確認負担の軽減につながります。
広報紙「広報うき ウキカラ」読者アンケート
◆ 概要:
6月から毎月の広報紙アンケートの回答フォームをLoGoフォームで構築し、オンラインで受け付けるようにした。これを機に、市からの回答を紙面に載せて双方向のコミュニケーションをするようになりました。
◆ 背景・課題:
これまで、広報紙の感想やご意見・ご要望はハガキやメールで受け付けていたが、月1、2件ほどしか来ず、広聴機能が乏しかった点がありました。
◆ メリット・工夫点:
・月1、2件だった回答が、LoGoフォーム導入後は月70件ほどに増加。約1年間で計720件に上った。
・回答をデジタル上で一覧化できるため、キーワードで絞り込むなど効率的に回答内容を見ることができる。
・回答が集まりやすい時期などの過去データを見ることで、アンケート周知のタイミングを狙って発信。
◆ LoGoフォームによるオンライン化の効果
① 業務時間:年間48時間削減(約75%減)
ハガキやメール受け付けの場合、1件あたり約4分の事務処理が発生していたが、オンライン化によりデータ化の作業が不要になったため、4分削減。年間720件の申請に対し、48時間の削減効果が見込まれました。
② 回答率:70倍(月1~2件→月70件)
LoGoフォームでオンライン化したことにより、月1~2件と低調だった回答率が月70件に増加。デジタルを活用することで住民の声をより多く拾うことができ、双方向のコミュニケーションにつなげています。
行政手続きデジタル化ツール「LoGoフォーム」の定性効果アンケート
2021年6~8月に実施したLoGoフォーム研修会に参加した8自治体112名の職員に、LoGoフォームを活用した行政デジタル化の定性効果についてアンケート調査をしました。LoGoフォームは、従来のベンダー企業が受注・開発をして費用や時間がかかるシステムモデルを脱却し、自治体職員が現場のDXニーズに迅速に対応できるよう、職員が簡単にフォームを構築できる「ノーコード」な点が特長です。アンケートでも9割超が「自分でフォームを簡単に作成できる」と答えるなど職員がデジタル化を主体的に進めることが期待できます。
◆ LoGoフォームとは
トラストバンクが2020年3月にリリースした行政DX総合プラットフォーム。行政手続きや庁内業務など自治体の工夫であらゆる行政のデジタル化を実現する。IT知識がなくても職員が簡単にフォームを構築できる「ノーコード」な仕組みが特長。160超のテンプレートや他自治体が作ったフォームもテンプレートとして活用でき、全国自治体から400超のフォームが共有された。行政専用回線「総合行政ネットワーク(LGWAN)」とインターネットに対応するクラウド経由のSaaSサービス。2021年11月4日時点で380自治体が利用する。
□■ 「LoGoフォーム」の概要 ■□
◆ サービス名:「LoGoフォーム」(読み:ロゴフォーム)
LoGoは「Local Government」の頭2文字から自治体職員が名付けた
◆ 提供開始月: 2020年3月
◆ 利用自治体数:全国380自治体(2021年11月4日時点)※無料トライアルを含む
◆ 特長:
1. LGWANとインターネットの両方の環境で使えるLGWAN-ASPサービス(SaaSサービス)
2. パーツをカスタマイズするだけで簡単にフォームを作れる「ノーコード」ツール
3. 回答データは自動で集計・グラフ化・CSVファイル化
4. 他自治体のフォームもテンプレートとして活用できる(フォームシェア機能)
株式会社トラストバンクについて
2012年4月設立。2012年9月、ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』(https://www.furusato-tax.jp/)を開設。同サイトは、約2億の月間PV数(2020年12月)、契約自治体約1,600自治体(2021年6月)、お礼の品登録数37万点超(2021年6月)を有する国内最大※のふるさと納税総合サイトに成長。2013年9月、ふるさと納税の制度を活用したプロジェクト型課題解決支援「ガバメントクラウドファンディング®」をスタート。2014年9月、「ふるさとチョイス災害支援」の仕組みを立ち上げ、全国の自治体に無償でプラットフォームを提供。
※契約自治体数No.1(2021年7月時点自社調べ)、お礼の品掲載数No.1(2020年9月JMRO調べ)