ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を運営する株式会社トラストバンク(本社:東京都渋谷区、代表取締役:川村憲一、以下「トラストバンク」)は9月21日、全国で720超の自治体が利用する国内初の自治体専用ビジネスチャット「LoGoチャット」について、ユーザーの自治体職員3,316名(10自治体)にアンケート調査を実施し、自治体のLoGoチャット導入効果の検証結果を発表しました。
【アンケート結果のポイント】
・7割超がコロナや災害下でLoGoチャットを使い「緊急時の情報伝達スピードが早くなった」
・半数超がLoGoチャットで「場所や時間を選ばない多様な働き方を推進できるようになった」
・半数超がLoGoチャットで「部署間の連携や職員同士の助け合いが増えた」
・ビジネスチャットの利用マナーの形成や、活用意識の向上が今後の課題に
「自治体のビジネスチャット(LoGoチャット)導入効果に関するアンケート調査」(調査主体:トラストバンク)
対象:LoGoチャットを利用する自治体職員3,316名(10自治体)/期間:2021年7月26日~8月19日/方法:アンケート調査
◆ 調査協力自治体
北海道旭川市、福島県伊達市、栃木県小山市、千葉県香取市、千葉県市川市、兵庫県宝塚市、徳島県鳴門市、香川県三豊市、福岡県古賀市、宮崎県えびの市
2020年度には自治体職員1,316名を対象とした調査で、LoGoチャットを使うと1人あたり1日平均約25分、年間98時間の業務時間を削減できるという定量効果を発表しました。
今回は定性効果をアンケートで調査し、「情報共有・意思決定の迅速化」、「業務改善と多様な働き方」、「コラボレーションの促進」の3つの効果を抽出。LoGoチャットが自治体のコミュニケーションや業務の慣習を変えつつあり、行政DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に定量・定性の両面から一定の効果を発揮していることがわかりました。
情報共有・意思決定の迅速化
◆ 7割超の自治体職員が「緊急時の組織全体の情報伝達スピードが早くなった」
約9割の職員がこれまでの電話やメールの手段に比べてLoGoチャットの利便性を実感していました。さらに、7割超が「緊急時の情報伝達スピードが上がった」と回答。迅速な情報共有や意思決定が求められる新型コロナや災害対応の業務でLoGoチャットを使い、有効性を実感できたことが背景にあると考えられます。
具体的な回答
・大雨警報が発令されたときに市外に居たが、LoGoチャットを利用して災害対策本部の主要メンバーに迅速に指示が行き、対策本部の開設が円滑にできた。
・コロナワクチン申請の手伝いのために公民館で従事する際、(他の職員の)申請に関する質問のやり取りをグループトークで後から追って見ることができ便利でした。
・部長職のグループトークで、コロナ対応の緊急応援の調整(職員や車など)を短時間で確実に完了できた。職員一同、緊急時に活用できたと思う。
・休日に学校施設の消毒が必要になったことが何度もあり、LoGoチャットで参加可能な職員を募った。「2時間後に現地集合」を想定していたが、30分後には現地で消毒作業を開始できた時もあった。スピードだけでなく他の職員の動きも見ながら「必要な人数が揃ったら無理して参加しない」などの判断にも役立ったと思う。
業務改善と多様な働き方
◆ 半数超が「場所や時間を選ばない多様な働き方を推進できるようになった」
コロナ禍でテレワークや分散勤務の連絡手段としてLoGoチャットの活用が進み、「場所や時間を選ばない多様な働き方を推進できるようになった」と思う職員は半数超の54%でした。また、災害の被災現場の写真をスマホで撮り現地から迅速にチャットで報告するなど、庁外での活用シーンも広がりつつあります。
具体的な回答
・庁舎から車で20分ほどかかる現場で土木課に確認する案件が発生した。スマホで撮影した写真をリアルタイムで送信し、帰庁することなくすぐ対応することができた。
・LoGoチャットが無かったら帰庁して写真データを取り込む作業などが必要となり、手間がかかるだけでなく対応にも時間がかかってしまっていた。
・出張中に職場に外部関係先から電話がきた際、電話の取り次ぎメモをチャットで送ってもらえたため緊急の案件にも出先から対応できた。
・出張中の職員にLoGoチャットで報告や相談ができるようになり、業務の進みが早くなった。
コラボレーションの促進
◆ 半数超が「部署間の連携や職員同士の助け合いが増えた」と実感
気軽にコミュニケーションを取れるLoGoチャットの利点から、5割超の職員が「部署間の連携がしやすく、職員同士の助け合いが増えた」と感じていました。組織の風通しや職番関係も約4割の職員がよくなったと答え、チャットにより変わりつつあるようです。また、同じ部署や他部署の複数名によるグループトークで、8割超の職員が複数によるコミュニケーションのしやすさを肯定しました。
具体的な回答
・世代を超えて気軽に連絡や仕事の経験を伝えることができる。
・スタンプの使用により、お堅い定型文を使用するよりも和やかな雰囲気で連絡できるようになった。
・LoGoチャット導入前には報告をしていなかった些細なことを気軽に報告できるようになり、職員同士の業務の進捗が把握しやすくなった。
・複数の部署が関連する業務について一斉連絡できるため、電話連絡や意向確認などにかかっていた時間が大幅短縮された。
・他部署の同じ担当の職員数名とグループトークをつくり、全庁的な提出物や財務システムに関連することなどの情報を交換できたので非常に業務効率があがった。
◆ チャットの利用マナーの形成や活用意識の向上が今後の課題に
自治体でLoGoチャットをより有効に使ってもらうためには、庁内統一のチャットの利用マナーを形成したり、チャットを業務に活用する意識向上を図ったりすることが課題となることが見えました。
具体的な回答
・便利な反面、使いこなすうちに夜間・休日でも連絡を取ることに抵抗を感じなくなる懸念を感じた。プライベートと業務の境界などルール化が必要。
・使用者の意識の差があり、そもそも見ない人、見てもスルーの人、頻繁に使う人とバラつきがある
◆ LoGoチャットとは
LoGoチャットは、トラストバンクが2019年に提供を開始した国内初*の自治体専用ビジネスチャットです。自治体職員はPCやスマホで、庁内や他自治体の職員、外部事業者とやり取りすることができます。メッセージや画像、ファイルの送受信のほか、日程調整やアンケートをすることも可能です。さらに、LoGoチャットには全国約8,000名の職員と「ワクチン接種」「コロナ対応」「行政DX」など100超のテーマで意見交換できるユーザーグループがあり、自治体が業務知見やノウハウを共有できるプラットフォームになっています。
*LGWAN-ASPサービスの行政専用チャットとして国内初です。LGWAN-ASPサービスとは地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から認証を受け、行政のネットワーク環境「LGWAN」上で業務アプリケーションを提供できるサービスです。
~LoGoチャットの開発背景~
行政DXツールの開発当初、あらゆる自治体の数十部署の職員に業務課題をヒアリングした結果、電話やメール、紙といった旧来の行政のコミュニケーションに共通課題があることに着目し、国内初の自治体専用ビジネスチャット「LoGoチャット」が誕生しました。LoGoチャットで自治体の業務を効率化することで、自治体職員が地域や住民のための付加価値の高い仕事に多くの時間を投じられる環境を築くことを目指しています。
□■ 「LoGoチャット」の概要 ■□
◆ サービス名:「LoGoチャット」(読み:ロゴチャット)
※LoGoは「Local Government」の頭2文字から自治体職員が命名
◆ 提供開始月: 2019年11月(正式リリース)
◆ 利用自治体数:全国720自治体超(2021年7月31日時点)※無料トライアルを含む
◆ 特長:
1. LGWANとインターネットの両方に対応(LGWAN-ASPサービス)
2. クラウドサービスで提供するSaaS型のシステム(自治体のニーズに応じて機能をアップデート)
3. 全国の自治体職員とリアルタイムに意見交換できるユーザーグループ
◆ 主な機能:
メッセージ、資料ファイル、画像の送受信(※ファイル無害化機能)、未読者・既読者の表示、
スタンプ機能(予定調整、アンケート、タスク管理)、ノート機能、GPS位置情報投稿(スマホ) など
◆導入自治体事例「パブリテックファン」: https://publitech.fun/
株式会社トラストバンク(https://www.trustbank.co.jp/ )
ビジョンは「自立した持続可能な地域をつくる」。2012年4月に創業し、同年9月に国内初のふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を開設。同サイトの契約自治体は全国9割を超す1600自治体超(21年7月)、お礼の品数は37万点超(21年7月)の国内最大のふるさと納税サイトに成長。18年11月東証一部の株式会社チェンジとグループ化し、パブリテック事業に参入。19年9月行政専用ビジネスチャット「LoGoチャット」、20年3月行政手続きデジタル化プラットフォーム「LoGoフォーム」をリリース。そのほか、地域経済循環を促す地域通貨事業や、再生可能エネルギーの地産地消を進めるエネルギー事業も展開。