ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を運営する株式会社トラストバンク(本社:東京都渋谷区、 代表取締役:川村憲一)は、 国内初の自治体専用ビジネスチャット「LoGoチャット」を提供しています。 行政のコミュニケーションや業務を変革するDX(デジタルトランスフォーメンション)を推進するため、 2021年7月末時点で全国720を超す自治体*が利用しています。 そのなかから、 自治体DXの優良事例を紹介します。
今回紹介するのは 鹿児島県奄美市 。 ワクチンの余剰がでたときに接種可能な職員をチャットで募集してワクチンの廃棄を防ぐ取り組みや、 台風時の冠水現場の写真や避難所状況の報告、 各部署への指示といった災害対応、 テレワーク推進や会議短縮といった働き方改革など、 LoGoチャットをあらゆる行政シーンで活用しています。
LoGoチャット利用イメージ(トラストバンク撮影)
■ 事例トピック
・新型コロナウイルスの余剰ワクチン対策
・台風の災害対応
・テレワークや会議などの働き方改革
◆ 奄美市がLoGoチャットを導入した背景
2020年2月にLoGoチャットの試行利用を始め、 5月から全庁展開しています。 これまでは他のチャットツールを個別に使っていましたが、 全庁の職員で使えるビジネスチャットツールを探していました。 そこで、 庁内の 行政専用回線「LGWAN」と庁外のインターネットの両方に対応 している点からLoGoチャットを利用し始めました。 普段、 仕事をしているLGWAN専用のパソコンでもチャットを使える点が便利です。
◆ LoGoチャットを導入する前の課題
チャットを導入してから、 今までのコミュニケーションには相手が不在時に 内線電話を応酬する時間ロス や、 口頭の伝言でしっかり伝わっていない ケースがあるなどの課題があったことに気づきました。 資料の回覧でも、 紙で回すと最後の人が見るときには期日が過ぎてしまったり、 誰まで見たのかわからなくなったりしていました。 関係職員が入っているチャットのトークルームで資料ファイルを一斉共有すれば、 職員間の情報のタイムラグがなくなる うえ、 既読機能で誰が見たのか情報伝達の状況も確認 できます。
LoGoチャットを利用している奄美市職員(奄美市提供)
事例1:新型コロナウイルスの余剰ワクチン接種待機職員への呼びかけ
奄美市のLoGoチャット「余剰分ワクチン接種待機者」のトークルーム画面(個人名はぼかしています)
奄美市のLoGoチャット「余剰分ワクチン接種待機者」のトークルーム画面(個人名はぼかしています)
▷ 健康増進課からの呼びかけに、 約10分後には各課から接種可能な職員名の報告が続々とあがっている
▷ ノート機能で「今後のスケジュール」をいつでも閲覧できるようにしている
LoGoチャットに「 余剰分ワクチン接種待機者 」のトークルームを作り、 各課の取りまとめ担当職員約20名が参加。 コロナのワクチン接種で当日予約キャンセルによりワクチンの余剰が出そうな場合、 15時をめどに 接種会場の担当職員がチャットで、 余剰ワクチンの接種日時と人数を投稿します 。 すると、 約10分後には各課の担当職員から接種可能な職員名が次々と報告 。 先着順で余剰ワクチンを接種する職員が決まり、 ワクチンの廃棄を防ぐ取り組みに活かしています 。 チャットのノート機能に今後のスケジュールも貼り付け、 いつでも確認できるような工夫も。 電話やメールで確認するよりも、 チャットを活用して各課の担当職員と すばやく一斉に連携できており、 ワクチン接種の業務効率化につなげています 。
事例2:災害対策本部への被害現場の写真や台風情報をチャットで共有
奄美市のLoGoチャット「災害対策本部」トークルーム画面(個人名はぼかしています)
奄美市のLoGoチャット「災害対策本部」トークルーム画面(個人名はぼかしています)
▷ LoGoチャットのスマホアプリで現場から被害写真をすばやく共有(※GPS位置情報も共有可能)
▷ 災害対応の指示もチャットで受けてその場で迅速に対応
「奄美市災害対策本部」は161名が参加する奄美市最大のトークルーム。 各部課長や災害時に現場を確認しに行くことが多い建設部、 関係各部の情報を共有しておくべき職員が参加しています。
LoGoチャットを活用して、 被害現場の写真共有や避難所の状況報告、 スピードが求められる各所への指示をしています。 たとえば、 台風による 冠水現場を確認した職員がスマホで写真を撮り、 その場からLoGoチャットのスマホアプリでトークルームに共有 。 「浸水深さの写真を撮って」などと 災害対応の指示もチャットで受け、 速やかに対応 できました。 台風の接近情報なども 関係者全員へタイムリーに共有 できています。
事例3:テレワークや会議の効率化、 部署横断のプロジェクトでも活躍
| テレワーク:
4月からテレワークの実証実験を始め、 チャットで自宅と庁舎の職員同士の連携もスムーズにできた。
| 会議:
会議資料はチャットで事前共有し、 質問もあらかじめチャットで聞いてもらうことで、 対面会議は15分で終わらせる ようにしている。 これまではメールで資料を送っているにもかかわらず、 会議でも資料説明から始めていたので時間がもったいなかった。 庁内の会議室の数が少ないため、 チャットを活用して 無駄な会議の削減や時間短縮 につなげている。
| 欠勤連絡:
当日、 急に休まなければならない場合、 慣習的に電話で連絡していたがLoGoチャットも可能になった。 業務の引継ぎもしやすく、 始業時間を待たずとも 子供を病院に連れていけるようになった。
| 回覧:
課内の回覧情報を紙からチャットに変え、 迅速な情報共有と既読者の確認 が可能になった。
| 部署横断の業務・プロジェクト:
・押印見直しプロジェクトチームができ、 企画や総務、 財政、 デジタル担当など複数課の職員によるトークルームを開設。 他自治体の押印見直し状況の資料共有や、 スケジュールの確認、 配布資料の事前確認などをチャット上で行っている。
・決算書の作成進捗やスケジュール、 注意点の確認をチャットで実施。 庁内からの問い合わせも効率化。
| 外部事業者との連絡:
デジタル戦略課がRPA導入にかかる 事業者をLoGoチャットのゲストユーザーに招待 。 チャットのノート機能で全体スケジュールを共有したり、 日々の細かな連絡を取ったりしている。 LoGoチャットはLGWANとインターネット間の連絡もできるため、 外部事業者とのやり取りも円滑になった 。
| 職場環境:
ある課は黙々と作業をする仕事が多く、 安易に声をかけづらい雰囲気があったが、 LoGoチャットを使うようになってその心配をする時間が減った。 相談事はチャットで送っておき、 相手が手の空いた時間に返信をもらう ようにしている。 自分も別の仕事に移ることができるので、 仕事の気持ちの切り替えがしやすくなった 。
◆ LoGoチャットとは
LoGoチャットは、 トラストバンクが2019年にリリースした国内初*の自治体専用ビジネスチャットです。 自治体職員はPCやスマホで、 庁内や他自治体の職員、 外部事業者とメッセージや画像、 ファイルの送受信のほか、 日程調整やアンケートを取ることもできます。 電話やメール、 紙よりもコミュニケーションが効率化・強化され、 1人あたり年間98時間の削減効果も試算されました(注1)。
さらに、 LoGoチャットには全国約8,000名の自治体職員と「ワクチン接種」「コロナ対応」「行政DX」など100超のテーマで意見交換できる「ユーザーグループ」があり、 他自治体とも業務知見をシェアできます。
行政DXツールの開発当初、 あらゆる自治体の数十部署の職員に業務課題をヒアリングした結果、 電話やメール、 紙といった旧来のコミュニケーションのあり方に共通課題があることに着目し、 国内初の自治体専用ビジネスチャット「LoGoチャット」が誕生しました。 LoGoチャットで自治体の業務を効率化し、 自治体職員が地域のための付加価値の高い仕事に多くの時間を投じられる環境を築いてまいります。
*LGWAN-ASPサービスの行政専用ビジネスチャットは国内初です。 LGWAN-ASPサービスとは、 地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から認証を受け、 LGWAN上で業務アプリケーションを提供できるサービスです。
(注1) 対象:LoGoチャットを使う約1300名の自治体職員/期間:2020年6月1日~29日/調査方法:アンケート
□■ 「LoGoチャット」の概要 ■□
◆ サービス名:「LoGoチャット」(読み:ロゴチャット)
LoGoは「Local Government」の頭2文字から自治体職員が命名
◆ 提供開始月: 2019年9月
◆ 利用自治体数:全国720自治体超(2021年7月31日時点)※無料トライアルを含む
◆ 特長:
1. LGWANとインターネットの両方に対応(LGWAN-ASPサービス)
2. クラウドサービスで提供するSaaS型のシステム
3. 自治体の現場ニーズに応じて機能を随時アップデート
4. 全国の自治体職員とリアルタイムに意見交換できるユーザーグループ
◆ 主な機能:
1. メッセージ、 資料ファイル、 画像の送受信※ファイル無害化機能あり
2. 未読者・既読者の表示
3. スタンプ(予定調整、 アンケート、 タスク共有)
4. ノート機能、 ブックマーク機能
5. GPS位置情報投稿(スマホのみ)
6. ビデオ通話機能(インターネット環境のみ) など
株式会社トラストバンク ( https://www.trustbank.co.jp/ )
ビジョンは「自立した持続可能な地域をつくる」。 2012年4月に創業し、 同年9月に国内初のふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を開設。 同サイトの契約自治体は全国9割を超す1600自治体超(21年7月)、 お礼の品数は37万点超(21年7月)の国内最大のふるさと納税サイトに成長。 18年11月東証一部の株式会社チェンジとグループ化し、 パブリテック事業に参入。 19年9月行政専用ビジネスチャット「LoGoチャット」、 20年3月行政手続きデジタル化プラットフォーム「LoGoフォーム」をリリース。 そのほか、 地域経済循環を促す地域通貨事業や、 再生可能エネルギーの地産地消を進めるエネルギー事業も展開。