行政デジタル化サービス「LoGoシリーズ」を提供する株式会社トラストバンク(本社:東京都目黒区、代表取締役:川村憲一、以下「トラストバンク」)は9月24日、セキュアな自治体のネットワーク環境「総合行政ネットワーク(LGWAN)」で使える国内初の自治体向けビジネスチャット「LoGoチャット」の導入数が、500自治体(*関連団体含む)、26万アカウントを超えたことをお知らせします。(注1)
*関連団体とは自治体に準ずる特別地方公共団体。複数自治体や特別区が行政サービスの一部を共同で行うために設置する組織。
(注1)518自治体、26万3,622アカウント(2020年9月23日時点)
(注2)チャット上でユーザーのように対話や処理を行うロボット(自動プログラム)のこと。
LoGoチャットは、2019年11月に正式リリースしたLGWANとインターネットで使える自治体向けビジネスチャットツールです。自治体職員はPCやスマートフォンで庁内や他自治体、外部事業者とメッセージやファイル・画像の送受信ができます。電話、メール、FAX、対面主義といった行政のコミュニケーションをビジネスチャットに置き換えることで、生産性向上や情報共有・意思決定の迅速化、ペーパーレスなどにつながります。LoGoチャットを使う自治体職員約1300名を対象にした調査では、職員1人あたり年間98時間の削減効果を試算しました。(トラストバンク6月調査)
LoGoチャットは、災害対策本部が庁舎のLGWAN環境、避難所や被災現場がインターネット環境にある場合でも、離れた職員同士がリアルタイムに情報共有できます。外部の人をゲストユーザとして招待できるため、災害派遣医療チームや災害ボランティア、消防などともチャットで連携可能に。被災現場の写真を、GPSを用いた位置情報と一緒にチャット送信できるため、被害状況に関する情報をいち早く伝えることができます。
実際に、今年の7月豪雨や台風10号では、被災自治体の避難所開設や支援物資の搬入といった情報共有にLoGoチャットが使われました。「トーク履歴で災害対応を時系列で正確に振り返ることができた」「災害対策本部と避難所の間でタイムリーに情報共有ができた」といった声がありました。
7月豪雨では、大雨警報の発令が土日だったにも関わらず、職員同士がLoGoチャットを通じてスマホで連絡を取りあえたため、災害対応に関する情報連携がスムーズにできました。
(※災害時のLoGoチャット活用フローは下図を参照)
全管理職員がLoGoチャットをスマホに入れて、緊急時の連絡に活用している。避難所の開設後の避難者数の報告を電話からチャットに切り替えたことで、正確で迅速な人数把握が可能となった。
大雨や台風が過ぎた直後、道路の破損や冠水した敷地、樹木やごみの残留、電柱やケーブルの被害など巡回時に被害状況を発見した職員が、その場で写真や位置情報とともにチャットから報告したことで、担当者が改めて同じ場所を確認することや、現場から庁舎に戻って状況を報告するといったタイムロスがなくなり、速やかな対応につながった。災害時は特に「時間の節約」だけでなく、職員の「手間の節約」にもなり、その分、他の災害対応にあたることができた。
これまで、被災した住家などの応急被害調査で時間がかかっていたが、導入後の台風10号では、被害調査をする職員でトークルームを作り、調査の段取りなどを情報共有。早い段階で被害認定調査を実施し、いち早く住民に罹災証明書などを発行できた。台風接近に伴い、事前にLoGoチャットで避難所対策部や応急対策部など各部のトークルームを作り、避難所開設や避難者情報、物資配備状況などを情報共有した。各部に集まるタイムリーな被害情報を写真や位置情報で確認でき、すばやい対応を取ることができた。
防災訓練で、非常連絡員への連絡や避難所と職場の情報共有ツールとして利用した。現場や訓練の様子の共有や、避難所の避難者数の報告などでチャットを活用したところ、より一層、迅速な情報共有が可能となった。また、災害時のチャット利用をルール化するといった課題も把握できたため、今後も有効活用に向けて検討を進めていきたい。
土砂災害を想定した防災訓練では、LoGoチャットでいち早く被害状況を情報共有したり、紙の報告文書をスマホで撮影し、写真で報告したりした。平時では、テレワークや分散勤務の職員との連絡に非常に役立っている。チャットの気軽さで課内のコミュニケーションが導入前よりも活発化した。
LoGoチャットボットは、「LoGoチャット上でこんなことが自動でできたら」という自治体職員の声を集めて開発した、一部業務をチャットで自動化するボット機能です。
自治体でニーズが高いのは、外部から送付されるファイルを自動で無害化してくれる「無害化ボット」です。あらゆるファイルを簡単に無害化してインターネット環境からLGWAN環境に安全に取り込むことができます。
そのほか、自分だけにメモが残せる「メモ帳ボット」、個人やチーム内のタスク管理ができる「ToDoボット」、不特定の部署に対する問い合わせや回答のメッセージを橋渡しする「問合せ受付ボット」などがあります。
今後も、自治体の業務効率化につながるチャットボット機能を追加していく予定です。
トラストバンクはLoGoチャットのほか、今年3月から行政手続きフォーム作成ツール「LoGoフォーム」の開発・提供も始めました。
8月には、「LoGoフォーム」とマイナンバーカードを活用したデジタルID(身分証)アプリ「xID」をAPI連携した行政手続きデジタル化ツール「LoGoフォーム電子申請」を、全国で初めて加賀市で導入。窓口や紙、ハンコに頼らずとも、オンラインで完結する行政申請フォームを自治体職員がすばやく簡単に作成できます。住民はスマホから24時間いつでも行政手続きできるサービスです。
今後も、トラストバンクのビジョン「自立した持続可能な地域をつくる」のもと、自治体職員の働き方改革や住民サービスの向上に寄与するとともに、社会課題の解決に向けて行政のデジタル化を推進してまいります。
「自立した持続可能な地域をつくる」をビジョンに2012年4月設立。同年9月にふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を開設し、月間最大約2億PV(2019年12月)、契約自治体1,570団体(2020年7月)、お礼の品登録数28万点超(2020年7月)の国内最大級のふるさと納税サイトに成長。2019年からパブリテック、地域通貨、エネルギーなどの新規事業に参入。3月からふるさと納税などを活用した新型コロナ支援プロジェクトを実施中。
親会社のITコンサルティング株式会社チェンジ(本社:東京都港区、代表取締役:福留大士)と連携し、ICTで自治体の業務効率化を支援するパブリテック事業を展開。2019年11月「LoGoチャット」を正式リリースし、無料トライアル(1年間)を開始。今年3月にリリースした行政手続きフォーム「LoGoフォーム」は特別定額給付金の業務効率化などで活用されている。