東京都世田谷区とふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」( https://www.furusato-tax.jp )を企画・運営する株式会社トラストバンク(本社:東京都目黒区、代表取締役:須永珠代、以下「トラストバンク」)は10月17日、トラストバンクが提供するふるさと納税を活用したクラウドファンディング型で寄附を募る仕組み「ガバメントクラウドファンディング®」(以下GCF)で、医療的ケア児の家族の外出支援を目的としたプロジェクトを開始します。募集期間は2019年10月17日~2019年12月31日(76日間)、目標寄附金額は500万円です。
医療的ケア児を育てる家族は、保護者が医療的ケア児の自宅看護などにかかりきりになるため、他の兄弟姉妹(以下、「きょうだい」)が、保護者と一緒に過ごせない寂しい気持ちを我慢していたり、家事や介護の担い手になっていたりするなど、きょうだいへの支援が課題となっています。
そこで、世田谷区は2020年度、医療的ケア児ときょうだいの支援のため、医療的ケア児のファミリーをキャンプなどの外出イベントに招待する事業を実施するための事業費をGCFで募ります。事業者から、医療的ケアが必要でも障害があっても、子どもが子どもらしい経験をすることができ、そのファミリーが笑顔になれるような提案募集をします。
寄附金を活用し、一団体による企画の経費を上限100万円まで、年間最大5団体に補助します。主にバスやタクシーなどの交通費、医師、看護師、保育士など専門スタッフの人件費などを想定しています。寄附をいただいた方へのお礼として、事業実施後にイベントの様子をまとめた冊子と、区内の障害者施設の自主生産品のサンプルを届ける予定です。
今回、世田谷区が取り組むGCFは、お礼の品ではなく“使い道”から寄附を募ります。自治体はGCFを通じて、地域課題や課題解決策を広く発信し、共感を得ることで寄附を集めます。一方、寄附者は地域に対する応援の想いで寄附をするため、交流・関係人口増加につながる仕組みとしても注目されています。プロジェクト数も年々増えており、2019年6月の制度改正でGCFへの関心はさらに高まることが予想されます。
10月17日から、返礼品という「モノ」から、住んでいるまちをより良くするという「コト」への転換を訴え、「ふるさと納税は、我らが世田谷へ」略して「ふるセタ」キャンペーンを展開します。“地元愛”をキーワードに有志で集まった区民と協働でプロジェクトを実施し、区民にポスターや動画に出演していただきました。自身の言葉で「ふるさと世田谷」の魅力と、ふるさと納税は“魅力ある地元づくりに役立ててほしい”というメッセージを発信していただき、みんなで「わが町せたがやをふるさと納税で応援しよう」という気運を高めていくことが狙いです。12月末まで区内の広報掲示板などにポスターを掲出するとともに、特設WEBサイトで18組の区民の方によるメッセージ動画を掲載しています。
また、「ふるセタの使い道を選ぼう」と題し、区の寄附メニューをわかりやすく伝えることで、返礼品目的ではなく、「寄附の使い道から選んでいただく」というふるさと納税を目指しています。中でも「注目のふるセタ」と題した使い道には、GCFを活用した新規プロジェクトや加速化を狙う取り組みを紹介しています。
2013年9月にトラストバンクが提供したクラウドファンディング型でふるさと納税を募る仕組み。自治体がプロジェクトオーナーとなり、関心や共感を呼ぶプロジェクトを立ち上げることで、広く資金を調達する。寄附者は自らの意思で寄附金の使い道を選ぶことができる。GCFでは、自治体が地域課題に対する具体的な解決策、必要な寄附金と使い道、寄附金を集める期間などを提示する。2019年10月時点で寄附総額50億円を突破し、570以上のプロジェクトが実施された。「2019年度グッドデザイン賞」を受賞。