埼玉県深谷市と株式会社トラストバンク(本社:東京都目黒区、代表取締役:川村憲一、以下「トラストバンク」)は4月21日、トラストバンクが提供する自治体専用ビジネスチャット「LoGo(ロゴ)チャット」の導入効果に関する実証実験の試算結果を発表しました。LoGoチャットの自治体の利用実績にもとづく効果試算の公表は、今回が初めてとなります。
LoGoチャットは行政専用回線の総合行政ネットワーク(LGWAN)で使える国内初の自治体専用ビジネスチャットツールです。トラストバンクがICTで自治体の業務効率化を支援するため、2019年9月に開発・提供し、241自治体(関連団体を含む)145,770アカウントが導入しています(4月20日時点)。深谷市は2019年9月に導入し、全職員にアカウントを付与。これまで日程調整や会議に多くの時間がかかるなど、リアルタイムかつ円滑なコミュニケーションに課題を抱えていたことから、チャットツール導入の実証実験に取り組みました。
LoGoチャットを使う職員49名を調査モデルとして、従来の電話やメール等の方法とLoGoチャットを使った場合の平均時間を比較したところ、業務上のコミュニケーションにかかる時間を1人あたり1日平均11分削減できたことが分かりました。年間(勤務日数240日)では、44時間削減できることになります。
全職員1,142人では、年間50,248時間、人件費約2億99万2,000円の削減効果に相当します。具体的な業務では、削減率は日程調整で54%減、電話対応で約40%減、庁内会議で32%減などの効果が試算されました。
上記の定量効果の調査と並行し、チャットの有効活用に関するアンケート調査を実施しました。チャットを利用した職員(有効回答499名)の意見から、チャットで業務改善効果を実感している一方、さらに有効活用するには、自治体内に日常業務でチャットを使う文化を浸透させることや、一定のルールを設けるなどの課題があることがわかりました。
今回の調査は、利用開始から半年間で実施しましたが、1人あたり年間44時間の削減効果が試算できました。4月の人事異動後、スマートフォンアプリを搭載する利用端末申請も増加傾向です。チャットの便利さを知っている職員が異動先で新しい活用方法を発見するなど、さらなる削減効果が期待できます。現在、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、対面でのコミュニケーションが難しくなっていますが、職員間だけでなく他自治体や関係事業者と離れた場所にいてもグループでのコミュニケーションが取れるので大変助かっています。また、各自治体でバラバラにやっていた自治体業務について、他自治体とチャットで意見交換ができるので、先進自治体のノウハウを参考に住民サービスの向上を短期間で実現できるようになると感じています。」
たくても導入効果を実感できない職員もいます。そのため、全職員に使ってもらえる環境整備に取り組んでいます。例えば、ICT推進室から全庁向けの調査などは、可能な限りLoGoチャットで回答をお願いしています。また、便利な使い方をグループウエアの掲示板でお知らせしてもなかなか伝わらないため、別件で問い合わせがあった時に個別で使い方をレクチャーしています。さらに、定期的に利用者アンケートを行うことで、利用方法がわからない職員や要望を把握し、ピンポイントで、使い方の説明や課題解決案を提示しています。今後も、圧倒的に便利なことを知ってもらうために地道なPR活動を継続し、LoGoチャットの良さを分かってもらうための活動を行っていく予定です。
LoGoチャットは、LGWAN上でアプリケーションを提供できるLGWAN-ASPを活用して、LGWANとインターネットの双方から接続できる国内初の自治体専用ビジネスチャットツールです。自治体職員はセキュアなLGWAN環境で、庁内や他自治体とテキストやファイル、写真などの送受信ができます。インターネット回線でも、出向中の職員やふるさと納税の返礼品を提供する事業者などの外部機関ともやり取りできます。新型コロナウイルス対策に伴い、テレワークの環境整備や対面会議の代替手段としての活用も拡がっています。
※関連団体とは自治体に準ずる特別地方公共団体。複数の普通地方公共団体や特別区が行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置する組織。
2012年4月設立。同年9月ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を開設。同サイトは月間最大2億PV(2019年12月)、契約自治体約1,500団体超(2020年4月)、お礼の品登録数23万点超(2020年4月)を有する国内最大のふるさと納税総合サイトに成長。2013年9月「ガバメントクラウドファンディング®(GCF®)」を開始。2014年9月「災害支援」の仕組みを立ち上げ、全国自治体に無償でサービスを提供。「パブリテック」、「地域エネルギー」、「地域通貨」など地域活性化につながる事業も展開。